インボイス制度と電帳法が始まった本当の理由
年が明けて電子帳簿保存法(以下、電帳法)がスタートしましたが、インボイス制度と電帳法という二大悪法(と私は呼んでいます)はそもそも、なんの目的で始まったのか、ご存知でしょうか?
インボイス制度の建前は、免税事業者が消費税を受け取って納税せず懐に入れる(←もちろん合法)、いわゆる「益税」を無くすために、請求書上で課税/免税事業者であることを明らかにして、課税の公平性を高めるためです。
それ自体はまあ間違ってないのですが、益税を無くすためでしたら免税点(年間売上1,000万円未満)を下げるなり撤廃するなりすれば簡単に済む話です。あえてインボイス制度というややこしくて事務負担の多いものを導入したのは、間違いなく将来の消費税率UPを見越してでしょう。免税事業者に消費税18%を支払って国にも18%を二重払いする事態になれば、その非難の目はむしろ免税事業者の方に行くだろうと。現時点でもインボイス制度の導入により益税だった数千億円の大半は今後国に入ることになります。大掛かりな割に増税額は大したことはないが、本丸は消費税率UPのほうなので、今はこれくらいにしておいてやろう、てな感じでしょうね。
電帳法は、ペーパーレス化による効率的な帳簿保存により、近未来的な洗練された会社経営を実現し、ひいては日本経済のさらなる発展を目指して・・という目的では当然ありません。税務調査をする時に全部書類を探して、紙で持ち帰るのがめんどいからです。ほしい証憑類を検索で全部出させてデータで持ち帰り、署に戻って金額の大きい順に並べ直して調査すれば、それは洗練された税務調査が可能になるよねー。データで保存してなかったらどうするのかって?そりゃあ青色申告取消ですよ。
積極的に電帳法に対応した帳簿保存体制を整えることにより、結果的に洗練されたペーパーレス化を実現することは実際には可能だと思います。ただそれは企業努力の賜物であって、別に電帳法があるおかげではないわけです。
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