最低賃金引き上げ
2023/09/01 15:13:20 経済一般
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今年10月から最低賃金が引き上げられます。広島県では930円→970円となり、全国平均は1,002円です。実質的にも時給1,000円は最低ラインとなります。
岸田総理は、2030年代半ばまでに全国平均を1,500円まで引き上げたい、と言っています。私が大学生の時(30年くらい前)に当時のほぼ最低時給650円でアルバイトしていた記憶がありますので、この30年間で最低賃金が1.5倍くらいになっています。今度は10数年でさらに1.5倍にするわけですね。
毎年3%ずつ賃金が上がれば達成する金額なので実現不可能ではないと思いますが、最近は働き方改革などで日本人の労働時間はかなり減っています。その上これだけ賃金が上がると、コスト高、人材不足で企業経営が成り立たなくなり、国際競争力も低下する恐れがあります。そうならないためには、「ムダなく成果を上げる働き方」を今以上に追求していかなければなりません。ただでさえ日本の働き方は非効率だと国外からバカにされるわけですから、「ろくに働いていない高給取り」が日本からいなくなるような政策と企業風土がより重要になっていきます。
また賃金が1.5倍になるということは、それだけインフレにもなるということです。資産運用の重要性等もより高くなっていきます。
中国の凋落と日本の特需
2023/08/01 15:35:11 経済一般
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中国は人口減少と経済の落ち込みで今後かなり苦しくなるのではないか、と言われています。長年続いた一人っ子政策の弊害で、少子高齢化に伴う労働人口の減少に歯止めがかからないのです。それなのに中国はマンションを建設し続け、今や人口(14億)の2~3倍が住める件数があるそうです。
その上投機により膨らんだ不動産バブル対策として、3年前から不動産開発企業への銀行融資規制を始めたため次々とデフォルト(債務不履行)が発生、最大手の中国恒大集団一社だけでも47兆円負債を抱えて債務超過に陥るなど、連鎖倒産すればその余波は中国国内にとどまらない可能性もあります。極端に言えば、もともと中国の景気刺激策は住む人のいないマンション開発で成り立っていたというわけです。
その上「令和のコメ」と言われている半導体分野でもアメリカの輸出規制により、特に最先端技術の半導体は中国国内での製造が難しくなっていきます。アメリカは中国なしで最先端半導体が製造できるよう、同盟国で政治、治安とも安定しており、人件費も安い日本での半導体工場建設を促しています。これは日本にとって最後のチャンスかもしれない特需です。戦後日本が朝鮮戦争の特需で復活したように、米中新冷戦下での特需をしっかりと享受して、失われた30年を取り戻していかないといけません。
ビッグモーター問題
2023/08/01 15:33:37 経済一般
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ビッグモーター問題が大きくなっています。二代目オーナー社長による典型的なパワハラ経営といった感じですが、こういった企業は昔から日本にたくさんあるのでしょうね。昭和の時代から何も変わらない、根性論の経営ですね。
岩国市で創業したビッグモーターは特に二代目になってから出店ペースを急激に増やし、現在300店舗位あるようですが、消費人口が減少し続けている日本ではニーズ以上に拡大させすぎてしまったのでしょうね。ニーズがないから売上・利益が伸び悩む、でも二代目社長はお父さんである創業社長に認められたい、そんなプレッシャーからパワハラ経営に傾いていったのかもしれません。まあ、そもそもの人間性がそうでなければ、プレッシャーだけでパワハラ体質に変わるとは思えませんが・・。
1日1,000件のLINEとか、店舗視察でその場で降格言い渡しとか、労働基準法の存在を知らないような信じられない内容です。LINEのスクショや録音を労働基準監督署に持ち込まれればアウトだと思うのですが、それすらもみ消してきたのですかね。威圧だけで経営するならヤクザと一緒です。お客様や従業員と真摯に向かい合った経営をしたいものです。
インボイス制度のせいで電気代値上げ
2023/04/03 15:41:09 経済一般
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今年10月より導入されるインボイス制度。事業者が登録申請することで、今まで消費税の免税事業者であった者までが消費税の納税義務を負うことになり、増税の影響を受けるわけですが、インボイス制度の影響はそんな直接的なものばかりではありません。一例を挙げますと、インボイス制度のせいで電気代が今後値上げされます。
現在家庭の太陽光発電システムなどで発電した電気は、電力会社が買い取ることが義務付けられています。電力会社からするとこの買い取りは仕入れになり、その電力を販売(企業や一般家庭に送電)します。
電力会社が買い取る電気は一般家庭からが多く、そのうち大半はサラリーマン等の家庭であり事業者でないため、インボイスの登録をしていません。そのため電力会社は10月以降買い取った電力代金の大半につき仕入税額控除ができないので、消費税の納税負担が増加することになります。
まあこんなことは電力会社に限ったことではなく、多くの業種でこのような税負担増加が生じるのですが、なんと資源エネルギー庁はその税負担を電気代値上げで穴埋めする方針だと発表しました。
要するに国はインフレ対策をするわけでもなく、景気浮揚策を講じるでもなく、増税とインフレ誘発のダブルパンチで、国民から搾り取れるだけ搾り取ろうというわけです。ただでさえインボイス制度自体が大がかりの割に対した制度設計のされていない愚策なのに、制度導入により派生的に生じるインフレ影響も読めないという無能ぶりをいかんなく発揮したことになりますね。よその国なら、反対派に国会を襲撃されてもおかしくないと私は思いますが、まあ日本は平和でよかったですね・・。
二宮尊徳の言葉から思うことあれこれ
2023/02/01 17:44:22 経済一般
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突然ですが、二宮尊徳(二宮金次郎)をご存知ですか?薪(まき)を背負いながら本を読んでいる銅像が小学校にありましたよね、あの方です。「勤勉」のイメージはあるものの、何をした人か知らないという方も多いと思いますが、江戸時代後期に荒れた農村の復興を指導し、また道徳と経済の両立を説いた「報徳思想」を唱える思想家でした。その二宮尊徳の残した言葉の中に、こんな名言があります。
「道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である」
かなりストレートかつ本質をついた言葉だと思います。企業・事業者の目的は利益を出すことであるのに間違いはありませんが、経営理念もなくただただ顧客から売上を搾取するような行為は犯罪と同じだ、と断じています。顧客に、ひいては社会に役立つ商品・サービスを提供し、それに見合う対価を得ながら発展することこそ企業の存在意義だということですね。企業が継続的に発展していくには、顧客・社会に貢献するという視点・観点を忘れることがあってはならないと私も思います。
また後半の言葉も厳しいですね。いくら顧客・社会のためという理念があっても、必要以上な安売りや過剰サービスで企業が疲弊し、利益を残すことができなければ永続的に良質な商品・サービスが提供できなくなり、結果的に顧客・社会を裏切ることになる。永続的な実現ができないような経済活動は結局寝言(=意味がない)と断じています。
ところで、最近賃上げの話題が多くなっております。ファーストリテイリング(ユニクロ)がこの春から最大40%の賃上げを行うなど、大手企業で賃上げの動きが相次いでいます。たまった内部留保を活用して、有能な人材を確保していくという動きは日本全体にとっても良いことだと思います。賃金が上がる→購買意欲が増える→企業の業績が良くなる→賃金が上がる→・・の好循環がなかったから、日本は30年間経済成長しなかったわけですから。
一方中小企業はどうでしょうか?賃上げできますか?どうしても必要な人材には(引き止めという意味も含めて)賃上げが必要になってくると思います。そうなると、企業に必須でない人材の賃上げまでする余力がない中小企業では、給与格差が拡大していくのかなと思います。
企業としては、従業員の給与を絞って絞って利益を搾取するようでは最終的には必要な人材まで流出することになり、継続的な発展はないでしょう。かといって大盤振る舞いばかりしていては資金がもたなくなり、結局最終的には職員を失業させてしまうことになるかもしれません。まさに二宮尊徳の言う通りになってしまいます。給与体系の見直しが必要でしょうし、人材配置や社内業務の合理化、また商品・サービスの差別化など、やるべきことをやる企業とやらない企業との格差もまた、拡大していくのだと思います。