計画はネガティブに、実行はポジティブに
2016/03/05 14:43:06 マーケティング
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「計画はネガティブに、実行はポジティブに。」これは経営者には必須の考え方です。経営計画は、「何とかなるだろう」「売り上げは、頑張れば、気合で達成するだろう」「これぐらい広告費をかければ、売り上げはかなり伸びるだろう」と、ポジティブ(前向き)ではいけません。なぜなら、経営は流れが良いときはイケイケでもいいかもしれませんが、必ず流れ良くない時が来ます。その時に、「何とかなる」の計画では、「売り上げを見込んで固定費が増大したのに、実際の売り上げが大幅未達で、にっちもさっちもいかなくなる」わけです。
要するに、「経営のリスクヘッジ(危機管理)」ができていないのです。「売り上げが目標の80%にしか達しなくても黒字を確保できる、ネガティブ(保守的)な予算計画」「必要な人材が見つからなかった場合の代価案」「新規事業が立ち上がらなかった場合の撤退時期」などのネガティブな計画を綿密に立てておくことこそが重要です。
一方、実行はポジティブでなくてはいけません。「必ず売り上げ目標を達成する実行」「従業員を幸せにする組織づくり」「新規事業への情熱」を前向きに実行できる経営者でないといけませんよね。でも、「前向き」と「楽観的」は違います。
ネガティブシミュレーション(計画はネガティブに)、ポジティブシンキング(実行はポジティブに)を心がけましょう。
マーケティング目線で見た、「ライザップ」
2015/06/17 10:59:40 マーケティング
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「ライザップ」というスポーツジムが人気を集めています。CMで、赤井英和さんや香取慎吾さんがビフォーアフターですごい肉体美を披露しているやつです。CMのインパクトで人気を集めている側面もあるとは思いますが、マーケティング目線で見てみると、違った人気の一面が見えてきます。
スポーツジムに通う人の目的はいろいろあると思います。「ダイエット」「健康のため」「ストレス解消のため」「スポーツの上達のため」「筋肉ムキムキにしたい」等々・・・。その中でも、「夏までに○○キロやせたい!」と思われている方は多いはずです。その人にとっては、「目的」は「ダイエット」であり、その「手段」としての「スポーツジム」なのです。つまり、「ダイエット」が目標であって、「週2回スポーツジムに通う」ことが目標ではないのです。
そういう人にとって、「初月会費無料」や「設備の充実」や「インストラクターのお姉さんがきれい」という要素はそこまで重要ではありません。あるに越したことはない、という程度でしょう。スポーツジム運営側からすると、ダイエット目的の顧客に対して「スポーツジム施設の充実」という商品をいくらプレゼンしても、その向こうにある「○○キロ減量」という顧客の本当のニーズをとらえていないため、顧客の心にささりません。手早く昼食をすませたいサラリーマンには、「食後のおいしいコーヒー無料」がささらないのと同じです。
その点、ライザップは「ダイエット」という目的をもつ顧客のみに特化して、その目的達成のみに焦点を合わせています。筋トレ中心なのでプール設備などはなく、また金額も2か月で20万円~と決して安くはないようですが、マンツーマンで日々の食事管理等もしてくれるそうです。まさに、「多少高くても確実にダイエットしたい」というニーズを的確にとらえたマーケティングの好例と言えると思います。
マーケティング(2) 市場を適切に絞り込む
2014/08/25 13:34:28 マーケティング
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マーケティング(1)で、小規模事業者の取るべき戦略として、①市場を適切に絞り込むこと、②強み、付加価値、ブランディングを活かす、というお話をさせていただきました。
「市場を適切に絞り込む」とは、言い換えますと、戦うべき相手と戦わない相手を区分するということです。小企業がいきなり戦場のまん真ん中に切り込んでいっても返り討ちに合うのがオチです。自社の経営資源を集中させて、勝てる相手を選んで切り込んでいくために、「市場を絞り込む」のです。
「市場」を絞り込むためには、業種や経営戦略によってアプローチを変えていかなければいけません。「市場」のとらえ方の観点には、(ⅰ)地域、場所、(ⅱ)商品群、(ⅲ)顧客ターゲット層、(ⅳ)心理的競合群、などがあります。ここでは、(ⅰ)地域、場所、を例にとってみます。
あなたの市場は、「広島市」ですか?「広島県」ですか?「○○町界隈」?それとも「日本」?「世界」?地域や地域性に大きく影響を受ける業種では、地域の範囲が広すぎると、競合が多すぎてジリ貧になってしまいます。地域の範囲が狭すぎると市場規模が小さすぎて利益がでません。また、地域性により戦略が異なる場合もあります。一般的に、大都市圏と地方ではニーズの反応、種類が異なることが多かったりします。
お好み焼き屋を開店するのに、「広島市でナンバー1」では市場が広すぎます。また、老舗の有名店には勝てません。でも、「○○町周辺のサラリーマンの昼食を早く安く提供するお好み焼き屋でナンバー1」ならいけそうではないですか?回転数を多くして採算を合わせる戦略です。逆に、他にはない新鮮な魚介類の仕入れルートがあるならば、「サイドメニューの鉄板焼きが豊富な、○○町でナンバー1の店」でも戦えるでしょう。この場合は、「夜の宴会客」をターゲットに「単価を高くする」ことで採算を合わせる戦略です。
例をあげてみるとわかりますように、「市場の絞り込み」は、自社の強みが正しく分析されていないと誤った選択をしてしまいます。前者のお店は、早くお好み焼きを提供するノウハウを持っていないと対応できませんし、後者のお店は、仕入れルートも持っていないと競争力のある素材を準備できません。
そんなの当たり前じゃないかと思われるかもしれませんが、実際に日常業務に追われてしまって、この「自社の強み」の部分の分析がぼやけてしまうケースは多いのです。冒頭の①市場と②強みは両輪であり、この2つがかみ合わないままの市場の絞り込みはまず成功しません。ここが最大のポイントです。
市場の絞り込みができましたら、あとはその市場自体を検証してみて下さい。ポイントは、その市場が広いか、今後の伸びが期待できるか、競合は少ないか、です。
小規模事業者のとるべき戦略は、オンリー1企業になって高利益体質になることです。そのために、市場が地域であれば「特定の地域ナンバー1」、市場が商品群であれば「○○の商品ナンバー1」です。その市場が狭くても、「オンリー1」であればニーズは途切れませんし、市場が狭いので、巨大企業がわざわざ本格進出してくることもないでしょう。
「②強み、付加価値、ブランディングを活かす」は、機会があればまた詳しく触れてみたいと思います。
マーケティング(1) 二極化市場をどう生きるか
2014/07/16 11:45:08 マーケティング
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業種を問わず、市場の二極化傾向がより鮮明になってきております。「大」企業と「小」企業だけが生き残り、その中間的な企業は淘汰されていくと以前から言われておりましたが、今は「大」も淘汰される時代となり、「巨大」と「小」しか生き残ることができなくなっております。
「巨大」企業は、たとえば家電小売り業界におけるヤマダ電機や、外食(牛丼)におけるすき家(ゼンショー)のように、圧倒的な低価格により「大」をも市場から撤退を余儀なくさせてしまいますし、フェイスブックやラインなどの圧倒的な技術やネットワークをもった新興IT企業が、業界地図やユーザーの生活そのものまで完全に塗り替えてしまいます。
その中で私たちがどのように生き残っていくべきか。まず間違っても「巨大」企業が行う、低価格戦略をとってはいけません。「小」が行っても、自らをへとへとに消耗させてしまうだけで長続きはしません。「巨大」ですら、一時期は圧倒的な低価格によりシェアを拡大しても、その後その低価格があだとなって自らの首を絞めているのです。先のヤマダ電機やゼンショーの決算推移を見てもらえればよくわかります。
それでは、「小」はどのような戦略を取るべきか?それは、①市場を適切に絞り込むこと、②強み、付加価値、ブランディングを活かす、ことによって「高くても売れる」ようにすることです。特に新規参入企業にとっては、これ以外に生き残る道はありません。
①②の詳しい内容については次回詳しく触れてみようと思います。その前段階として、自己分析の手法としてマーケティングでは有名なSWOT分析という考え方をご紹介します。SWOTとは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を取ったもので、この4つの方面から自社の立場を客観視してみようというものです。
自社にとっての強み、弱み、というのは分かっているようで、意外とはっきりと言葉にできないことも多いです。また、この強み弱みは、同じ市場にいる競合他社に対しての強み弱みでないと分析の意味がないことに注意してください。具体的に、ライバルのA社との比較でどこが強くどこが弱いのか、ということを明確にしていってください。
強み弱みの分析ができると、その強みを生かせる市場がどこにあるのか、という視点に立つことができます。逆に、戦ってはいけない市場、将来的にネックになるであろう部分(=脅威)も見えてきます。そこまで分析できれば、とっかかりとしては十分です。