コロナ関連の経済支援策まとめ②とアフターコロナ
2020/06/02 09:55:28 経済一般
コメント (0)
(1)納税猶予関連
法人税などの国税、固定資産税などの地方税、社会保険料は納税が猶予(最長1年間、延滞税などがかからない)される特例制度があります。条件は共通で、令和2年2月以降のどこかの月で前年同月比20%以上売上が減少している月があり、かつ一時に納付することが困難であること(ここは個別に判断されるところだと思います)です。申請は各対象機関にそれぞれ個別に行う必要があります。
(2)固定資産税の減免制度
これは令和3年度の固定資産税になりますが、令和2年2~10月のうちいずれかの連続する3ヶ月で前年同月比30%以上50%未満売上が減少した場合に固定資産税の半分が減免され、前年同月比50%以上売上が減少した場合、固定資産税の全額が減免されます。なお減免とは「納めなくてよくなる」という意味です。要件は厳しいですが、該当する場合は固定資産税の負担が大幅に減少します。申請は令和3年1月になる予定です。
(3)家賃支援給付金
第二次補正予算の成立が前提ですが、令和2年5~12月のうちいずれかの連続する3ヶ月で前年同月比30%以上売上が減少した場合、またはどこかの月で前年同月比50%以上売上が減少した場合、法人で月額最大50万円×6か月、個人で月額最大25万円×6か月、給付額が支給されます。複数店舗を有する場合は法人が100万円、個人が50万円まで月額最大額が引き上げられます。申請方法などの詳細は未定で、早ければ6月下旬から受付が開始されると言われています。
このようにコロナ経済対策は前例のない大規模な内容で次々と打ち出されています。私はウイルスの沈静化と(第二波への備えは必要ですが)、経済対策マネーが市場にあふれることにより景気はとりあえず回復すると思っております。ただしコロナ前と同様の形に戻ることもないと思っています。
なぜなら、この自粛生活により「本当はなくてもなんとかなる物」があぶりだされてしまったからです。みんなが毎日同じ時間に同じ場所へ通勤する必要はないとわかってしまいましたし、買わなくても困らないものが何かもわかってしまいました。これらの「不要とわかったものと、それを作り出していた企業」は急速に淘汰されるでしょう。そしてアフターコロナの世界に本当に必要とされるものが台頭してくると思います。
あと怖いのは、政府が大規模な財政支出をした反動で、将来緊縮財政や増税などにより、再び景気の腰を折ってしまうことです。1930年代の世界恐慌後、積極財政で経済が持ち直しかけた時に緊縮財政を早まったため、再び景気後退に陥ってしまったという歴史を繰り返してはいけません。
コロナ関連の経済支援策まとめ(主に持続化給付金)
2020/04/30 17:47:18 経済一般
コメント (0)
コロナウイルスの影響が長期化しております。梅雨ころまでには落ち着けばいいのですが、とにかく今は手持ち資金を厚くしてこの嵐を乗り切ることと、コロナ以後に備えるしかありません。経済産業省から支援策が複数出ており、補正予算も4/30通過しました。まとめます。
(1)持続化給付金 →5/1申請受付開始!(令和3年1/15まで)
今年1~12月のどこかの月で、その月と前年同月とを比較して売上が50%以上下がっていれば法人は200万円、個人は100万円を上限に給付金(返済不要)が1回限り受けられます。業種は問わず、また医療法人やNPO法人も対象になります。
例えば今年3月の売上が120万円、昨年3月の売上が250万円ならば申請可能です。給付額は、3月決算法人ならば前事業年度(H31.3月期)の年間売上高3,000万円とすると、3,000万円-120万円×12=1,560万円が給付算定額で、200万円が上限なので満額200万円が給付されます。給付が受けれそうかわからない場合はまず当事務所の担当者にご相談ください!
申請方法ですが、「持続化給付金」で検索していただき、申請用HPで電子申請してください。基本情報を入力し、法人の場合は必要書類として①別表一(電子申告受付番号の印字のあるもの)と②事業概況説明書(表と裏)、③対象月の売上台帳等、④通帳写し(表面+開いた1・2ページ目)をPDFか、写メなど(JPG)で準備してください。
①②は当事務所からお渡ししている決算申告書一式の中にあります。どれかわからない場合はご連絡ください。③はエクセルで作成した売上集計表などでかまいません(形式は問わない)。また当事務所で会計処理済みの月の場合は売上元帳をPDFでお出しできますのでこれもご連絡ください。
また個人事業者の場合は①は確定申告書第一表、②は青色決算書(白色申告なら不要)と読み替えてください。
(2)コロナ特別融資
直近の月の売上が前年同月比で5%以上減少している場合は日本政策金融公庫で特別融資が受けられます。さらに一定以上の売上減少がある場合は利子補給制度により実質無金利になります(全ての融資が無金利になる、というわけではありません)。また民間金融機関でもセーフティネットによる特別融資があります。
またこの他にも、(3)雇用調整助成金(4)法人税等、社会保険料、固定資産税の納税猶予等、(5)IT導入補助金、さらには一律10万円の給付(あとマスクも)なども控えています。まだ詳細が決まっていないものもありますが、随時情報収集して参ります!
コロナウイルスの影響で今後の経済はどうなるのか
2020/04/02 10:11:55 経済一般
コメント (0)
最初に、個人の確定申告期限が4/16まで延長されたことに伴い、税金の引落日も、所得税は5/15(金)、消費税は5/19(火)に変更されていますので、お知らせいたします。
さて、コロナウイルスのパンデミックに伴い、特にアメリカに本格的に流行し始めてからは、世界中の株式市場が「リーマンショック超え」と言われるくらい暴落しております。今後経済はどうなってしまうのか・・。考えて行きたいと思います。
まず株価が暴落したのは、コロナウイルスだけが原因ではありません。日本では昨年10月に消費税が10%に増税されており、そのため昨年10-12月の日本のGDPは△7.1%というひどさです。8%に増税した時の反省は全く生かされませんでした。その上に人・物の流れが遮断されるのですから、例えコロナウイルスが今後短期間で落ち着いたとしても、日本経済がすぐに上向きになる材料は少ないです。今後もアメリカと中国に経済を引っ張ってもらう以外にはありません。
またコロナウイルスとは関係ないところで、原油相場が暴落していることはご存じでしょうか?最近ガソリンが安くなっているので、家計には良いのですが、これも世界経済的には深刻な問題で、直接的な理由はサウジアラビアとロシアが原油の減産で話が折り合わず物別れになってしまったからです。
コロナウイルスの影響で経済が停滞し原油の使用量も減少するため、原油を掘る量を減らして価格が下がらないように在庫調整しないといけないのですが、ここ数年で両国が減産している間にアメリカにシェールオイルの増産でシェアを拡大されてしまったという痛い過去があるので、どうせ物別れに終わったならサウジアラビアは「価格が崩れてもいいから増産してアメリカのシェアを取り返してやる」と逆に増産に動きました。このため在庫のだぶつきを懸念した原油相場は過去に例がないほど暴落しました。この暴落によりアメリカのシェールオイル関連企業が窮地に立たされる(原価割れする)ため、関連企業の倒産により経済の低迷に拍車がかかるという話まで出ております。
今回、リーマンショック時との大きな違いがありまして、リーマンショックの時は金融危機がまず起きて、その影響で実態経済が停滞しました。今回はいきなり人・物の動きが止まったため先に実体経済にダメージを受けました。そのため、金融政策(金融緩和や中小企業への無利子貸付など)で時間をかせいでいるうちにコロナウイルスが沈静化すれば、実体経済が持ち直す可能性も高いと思います。その際には、各国が紙幣を大量に刷ってお金がだぶついているでしょうから、さらにインフレになるかもしれません(良いインフレではありませんが)。
しかし停滞が長期化し、金融部分にまで影響が及ぶと、もともと実体経済から先にダメージを受けただけに、もはや金融政策ではどうにもならなくなる可能性もあります。そうならないように祈るばかりです。
確定申告期限は4/16に延長!納税も!
2020/03/01 17:55:15 経理事務
コメント (0)
個人の確定申告は毎年3/15が期限日でしたが、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大予防のため、4/16まで申告期限を延長すると国税庁から2/27に正式に発表がありました。納付書による納期限も同様に4/16まで延長です。
また、振替納税日も、今年は所得税が4/21、消費税が4/23とされていましたが、こちらも延期となる予定です。振替日がいつに変更されるかは、2/29時点ではまだ発表がありません。
税務署や、広島ですと基町クレドの無料相談会場に行かれたことのある方はご存知だと思いますが、確定申告の会場はかなり人口密度が高いです。日によっては何時間もかかることもあり、全国の小中高校が一斉休校となっている現状もありますので、会場自体の一時閉鎖の動きも出てきているようです。
国税庁のホームページから申告書を作成される方でしたら問題ないですが、そうでない方は事態が落ち着かれてからのほうがいいでしょうね。当事務所に確定申告書類の作成をご依頼いただいている方はもちろん出向かれる必要はありませんし、私自身も全てを電子申告で行うため出向くことはありません。
マスクが品薄なのはともかくとして、最近はトイレットペーパーや除菌シート、ハンドソープ、キッチンペーパーまでもが品薄になっております。トイレットペーパーの流通ラインが止まるというのは全くのデマです。落ち着きましょう。
ただ実際に売り切れになっているのは事実で、そうなるととりあえず確保だけはしておこうということになり(私もですが(^_^;))、結果として「入手困難」という事態は事実になってしまいます。こうなると情報操作の恐ろしさを感じます。飛躍しすぎかもしれませんが、石油流通を遮断されて真珠湾に突っ込んで行った日本、くらいの恐ろしさを感じます。
また、コロナウイルスにより公共施設だけでなく、企業活動にも影響が出始めています。テレワークなどの在宅勤務では限りがありますし、工場等はそうはいきません。また国外では日本以上に長い期間の施設閉鎖をしているところも多いですし、街自体を隔離している国さえあります。
こうなると、実体経済に深刻な影響が出る可能性が高くなってきます。日本はただでさえ昨年10月に消費税を増税したばかりです。アメリカのダウ工業平均株価も暴落といえる動きを見せ始めており、リーマンショックの時のような引き金になる可能性もあります。非常に心配です。逆に安全資産と言われる「金(きん)」は史上最高値を更新しました。
これ以上犠牲者が増えず、収束に向かうことを心より祈っております。
確定申告しないほうがいい人、したほうがいい人
2020/02/03 18:02:54 節税
コメント (0)
今年も確定申告の時期が近づいて参りました。今回は、そもそも確定申告って何なの?誰がしないといけないの?というところからお話させていただきます。
法律的には「確定申告」という用語は法人の決算にもあてはまるのですが、一般的には確定申告といえば個人の申告です。毎年3月15日までに、個人の前年1年間に得た全ての所得を合算して、所得税額を税務署に自己申告して納めます。住民税や事業税、国民健康保険料などもその申告をもとに自治体が計算します。
ただし1か所からの給与収入しかない方は、会社が年末調整をしてくれます。これは確定申告を会社が代わりにやってくれるようなもので、この方は確定申告の義務はありません。
個人で商売をされている方や、賃貸不動産のオーナーなどは確定申告をしないといけない、というのはわかると思いますが、中には微妙なケースも出てきます。例えば、会社勤めで基本的には1か所からの給与収入なんだけど、他に少し副収入もある、という場合です。どのくらい副収入があれば確定申告しないといけないのかご存じですか?
所得税法の規定では、「メインの給与以外の給与収入」+「給与・退職金以外の所得」が20万円を超えると確定申告をしなければならないとされています。例えば副収入が18万円の給与収入のみなら確定申告をしなくていいし、給与収入が25万円ならしないといけません。また、個人年金収入が120万円あっても所得換算で18万円なら確定申告をしなくていいし、会社に内緒でこっそりやってるネット販売事業の売上が300万円あっても経費を差し引いたら利益(所得)が15万円だ、という方も確定申告不要です。下線部の「収入」と「所得」は、このような違いが出てくるので注意が必要です。ほんとは確定申告しなくていいのに、してしまった結果追加の所得税が出たら、それは納めないといけなくなりますので。
ところで、確定申告をしなくていいことが分かったから、はい確定申告さようなら、と言うのは少し早いです。確定申告の義務はないが、あえてすることで税金の還付や、住民税の軽減につながるケースが多々あるからです。
医療費控除など、年末調整ではできない控除があるから、というのが一番わかりやすいですが、それ以外でも例えば先ほどの、給与の副収入が18万円というケース。給与からは通常源泉所得税が天引きされていますので、合算して所得税を再計算した結果、副収入の所得税は引かれすぎだから還付される、というケースがあります。この場合は、まず計算してみて、税金が還ってきそうなら申告する、税金が追加になりそうなら申告をやめるのが正解です。
最後に、最近よくある注意点が、ふるさと納税のワンストップ特例です。これは5か所までのふるさと納税につき確定申告不要で住民税の控除をしてくれるのですが、医療費控除などのふるさと納税に関係ない確定申告をした場合でもワンストップ特例が無効になります。確定申告時にふるさと納税の寄付金控除も忘れず申告に加えてください。