ややこしすぎる!所得税の基礎控除の改正
2025/07/01 16:55:05 税制改正
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所得税の基礎控除が令和7年より改正されます。が、施行は令和7年12月1日となっており、「今年はとりあえず今までどおり計算して、年末調整や確定申告で全部つじつま合わせてね」という摩訶不思議なことになりました。その改正の内容ですが、当初は一律48万円→58万円になるという話でしたが、最終的には合計所得金額132万円以下の場合で95万円、それ以上の場合で58万円+令和7・8年分の上乗せ金額あり、という形になりました。
同時に給与所得控除の最低額も55万円から65万円に改正されましたので、収入が給与だけの場合は基礎控除95万円+給与所得控除65万円=年収160万円までは所得税がかからないということになります。なお住民税の基礎控除は改正されませんので、住民税はかかります。
また税金上の扶養に入れる所得の要件も、基礎控除に合わせて合計所得金額48万円→58万円と改正されています。ところがこれは最大95万円までの上乗せはないので、給与収入のみの場合、基礎控除58万円+給与所得控除65万円=年収123万円までが税金上の扶養に入れる要件となります。年収123万円~160万円の場合、本人に所得税はかからないけど税金の扶養にも入れない、という状態になります。気を付けてください。
なお103万円の壁は123万円まで後退しましたが、社会保険上の扶養の壁である106万円や130万円は何ら変わりませんので、引き続きこれらの壁は意識していく必要があります。
毎月の給与から天引きする源泉徴収税額を変更するのは令和8年1月からになります。基礎控除等の変更に伴い金額が変更されますが、特定扶養親族(19~22歳までの扶養親族)の所得控除の改正もあったため、大学生の子をもつ方の扶養人数のカウント基準も変更(年間給与収入165万円まではカウント可)されています。ご注意ください。