ブログセミナー
このブログでは、税務、経営に関する代表税理士の考え方を
ミニセミナー形式で公開しています。

ちいかわの映画大ヒットから学ぶ営業戦略

2026/09/01 15:32:59  経営
 この夏、ちいかわの映画が大ヒットをしているそうです。8月31日時点の公開38日間で観客動員849万人、興収122億円は同時期の「名探偵コナン」より早いペースで、例えば「すみっコぐらし」等のかわいい系コンテンツの映画は興収10億円程度が一般的だそうなので、ちいかわの大ヒットはまさに異例とのことです。そしてこのちいかわが大ヒットした理由を調べてみると、「ジブリ」でも「君の名は。」でも「鬼滅の刃」でもない、全く異なる営業戦略があったことがわかりました。

 まず集客を「特典」に大きくフォーカスしています。ミニフィギュア、ボンボンドロップシールなどの入場者特典を第1弾→第2弾と2週間おき位に小出しにしており、9月5日からは第4弾となります。しかもランダム全8種などと用意されており、グッズを集めたいファンが何度も映画館に足を運ぶ、という構造を作っています。つまり特典を映画のおまけではなく主力に据えた戦略だと考えられます。音楽CDにライブ応募券や総選挙の投票権をつけるやり方に似ているかもしれません。
 そして映画の広告ですが、TVCM等で大金を使って広告することはせず、ファンからのSNS投稿をメインに据えています。「◯◯ちゃん出た!」「4回行ってコンプリート」等の投稿が大量に発生すると、それを見たファンがまた映画館に足を運びたくなる、という好循環が出来上がります。しかもその自然発生を待つのではなく配給先の東宝自体が「映画館でちいかわ投稿キャンペーン」を主催しており、その好循環を自ら作り出すという戦略を取っています。
 もちろん「ちいかわ」というコンテンツそのもののブランド力が強いですし、また今回の映画は以前Xでのみ長期間連載されていてファンの間ですでに人気が高かった「セイレーン編」だそうで、内容も子ども向けでは全然無い深い作品性で、伏線回収もすごいそうです(すみません、私は観てませんが)。ベースとなるコンテンツと内容がそもそも強い、という前提は当然あってのことだと思います。

 で、この営業戦略をお手本にして他業種の営業戦略にも水平展開できないかなと考えました。「レッドオーシャン市場で、既存顧客の購入頻度をどう上げるか」という題材になりますので、特典を「次回来店・次回購入の理由を作る装置」にしないといけないですね。例えば焼肉店だと9月「希少部位フェア」→10月「ワインのペアリング企画」→11月「年末限定コース」など、料理そのものを大幅に変えずに来店する理由を次々に投入する、というのはどうでしょうか。住宅リフォーム業なら3年目「外壁・防水チェック」→5年目「設備チェック」→7年目「再塗装診断」を建物メンテナンスカルテに基づき無料で行い、定期的に接触することで次の工事が必要になる前に相談を受ける理由を投入する、というようなこともできるかもしれません。次々に投入する理由は、期間を限定することで顧客にFOMO(Fear Of Missing Out)、つまり「今行かないと、やらないと損する」という心理を与えて来店、接触を促すためです。


コメント

コメントはありません
税理士・代表取締役 沢辺勲
趣味は株式投資とマラソンと広島カープ
カテゴリ
123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930
最新エントリ
最新コメント