「消費税1%」の議論に、日本の悪い点が凝縮
選挙後にしばらく音沙汰のなかった飲食料品の消費税減税ですが、最近になって「令和9年4月~令和11年3月に限定して8%→1%に引き下げ」という話が出てきました。その経済的効果や税収へのインパクトはさておき、「0%だとレジのシステム改修に1年程度かかるから、0%でなく1%にする案が有力になった」という部分が個人的にはすごく引っかかりました。
消費税率の変更だけでシステム改修に1年?日本ってどれだけIT後進国なのよ、って思いませんか?本部のサーバーの設定をポチッと変えれば、10秒くらいで全国全てのレジの設定が完了するんじゃないの?どうなってんのよ??
もともと日本の消費税にも0%という概念は存在します。それは輸出です。日本の消費税は「日本国内での資産の譲渡につき課税される」税金のため、国外に輸出した商品などの売上にかかる消費税は0%になります(輸出免税と言います)。ただ「国外で販売した場合」というシチュエーションなので、それをレジで打つ、という場面は基本的にありません。なのでレジの基本的な概念として0%が想定されていないのです。そのため、レジのシステムの根幹の計算プログラムを書き換えないといけなくなります。
またこの輸出免税もそうですが、もし飲食料品の消費税が0%になった場合も、これは「0%課税売上」であり、「非課税売上」「消費税対象外売上」とは消費税申告時の意味合いが全く異なる(詳細は割愛しますが)ので、0%だからレジでの消費税を無視しちゃえばいいじゃん、というわけにもいかないです。令和最大の改悪であるインボイス制度もからむので、なおさらややこしいのです。
なるほど、その点1%にするなら、10%と8%に1%を付け加えるだけなので、10秒くらいで設定が完了するわけですね。政府案には「1%への改定ならレジのシステム改修は3~6ヶ月で済む」とあります。
ん?3~6ヶ月??待て待て、1%こそ設定をポチッと変えればさすがに完了するだろうよ!ところが、日本の個人の飲食店や地方のスーパーなどでは、ネットに繋がっていないレジ、使い切りのPOSレジなどが現役で大量に動いているのです。それを業者が1軒ずつ店舗を回って機器を入れ替えたり手作業でアップデートや設定変更したりしたら・・。なるほど、確かに3~6ヶ月かかりますな・・。
結局何が悪いかって、日本の消費税の仕組みがツギハギだらけの複雑怪奇な体系になってしまってるからです(レジのシステムもだけど)。こんなシステムしか構築できない日本なんだから、そりゃあマイナンバーだって他国と違って使えないものになるよね・・。日本が世界に誇れる技術や文化はたくさんあって、それは日本人としての誇りでもあるのですが、こと消費税のシステムに関してはホコリかぶってるなあ、と思っちゃいました。
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