金(ゴールド)暴騰!これもインフレの波なのか
 金(ゴールド)価格の上昇が止まりません。金は株式や債券と違って発行体の経営難で紙クズになる等のリスクがないので昔から安全資産として知られており、2019年ころから価格も少しずつ上昇していました。しかし今年の9月初めから価格は一気に上昇し、ピークを付けた10/17までの1ヶ月半ほどで価格はなんと約25%も上昇しました。そしてそんな声を聞いてか金を買い求める人は一気に増え、金販売大手の田中貴金属では、銀座本店前に5時間待ちの行列ができ、その後5gや10gなどの小型の金の製造加工が追いつかないため一時販売停止になった(R7.11.1現在も再開していない)というニュースまで出ました。また金だけでなく、銀やプラチナなどの価格も大きく上昇しました。
 最近の上昇は異常すぎるにしても、なぜ金価格は上昇し続けているのでしょうか。一番大きな理由は、中国がアメリカ国債の保有を減らすために売却を続け、その資金で金を買って金保有量をどんどん増やしているからです。買いニーズが増えれば価格も上がるわけです。
 ではなぜ中国がアメリカ国債を手放しているかと言うと、ロシアがウクライナに侵攻したことの対抗措置としてアメリカがロシアの米ドル資産を凍結したことが、中国にとって強い衝撃だったからだと言われています。理由はそれだけではないかもしれませんが、確かに2022年以降金の上昇カーブはより強くなっています。
 ただ理由はそれだけではなく、ドルの信任が揺らいでいて、投資家がドルから金に資金を動かしていることも大きいようです。アメリカの財政赤字が拡大を続けていること、雇用悪化により利下げ傾向であること、戦争等の地政学リスク上昇していること、また世界的なインフレ傾向が続きそうなこと、これらの全てが「ドルを売って金を買う」原因になっています。
 また円も同じことが言えると思います。ドルの信任が揺らいでいても円高ドル安にならないのは円も下落しているからで、今は「円安ドル安」の状態になっています。
 相場的には、普段は金など買ったことが無い人まで行列を作って買いに並ぶというのは価格のピークであることが多いので、短期的には価格は今後落ち着くような気がします。しかし長期的には上記のような上昇理由が急に無くなるとは思えないので、資産の一部は金で持っておくという備えも必要かもしれませんね。
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