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コロナ対策がもたらすインフレで経済はどうなるか

2021/01/06 10:32:22  経済一般
 日本はもちろん世界各国で、コロナ禍での経済活動の自粛や縮小による景気後退を防ぐための大幅な財政出動がなされています。日本でも1人10万円の定額給付金をはじめ、コロナ対応融資、持続化給付金、家賃支援給付金など、「日本も本気出せばこれだけ財政出動できるんですね」と思わせるほど速く大規模な対応がされたと思いますし、今も第三次補正予算で追加の支援対策が審議されています。
 
 そして近い将来コロナ禍は必ず落ち着きますので、その時経済はどうなるかと言いますと、世界全体でインフレになります。財政出動で市場に大量のお金が出回ったからです。
 インフレになる仕組みはこうです。市場に大量のお金が出回ったためみんなの財布は潤います。そしてコロナ禍の落ち着きに伴い経済は活発になり、お金が手元にあるためみんな物を買いに回るので「高くても売れる」ようになり、物の値段は上がっていきます。そして物価は上昇=インフレとなります。

 インフレ自体は、基本的には経済にとってプラスになることが多いのですが、ただ日本はバブル崩壊以後二十数年間賃金が上がっていない、先進国の中では悪い意味で特殊な国です。ただでさえ最悪のタイミングで消費税を増税していますので、コロナ後急に賃金が上がるとも考えにくいですから、収入は増えずに物の金額だけが上がるという家計にとっては苦しい状況になると思います。

 一方、インフレは物の価値が(お金と相対して)上がります。理論的には不動産、株価も上がります。不動産はコロナ禍でテナントビル等は下落傾向ですが、居住用マンションは好立地物件を中心に依然として高止まりしています。株価は春先には大幅下落しましたがその後上昇に転じ、現在はコロナ前よりもはるかに高い水準にあります。
 株価が大幅に上昇しているのはインフレの影響もありますが、先述の財政出動によりダブついた市場のお金が運用先を求めて株買いに集中したことが大きいです。NYダウなどはすでに史上最高値を更新し続けていますし、ビットコインなども年末あたりから3年前のバブル時の高値を大幅に超えて来ています。インフレは相対的にお金の価値が下がるわけですから、インフレ対策としての投資を考えることも必要かと思います。


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