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税務調査対策(1) 税務署の現状

2014/04/25 11:10:16  税務調査
税務調査に関して、国税庁が発表した平成24年7月1日~平成25年6月30日までの法人税の実地調査率(法人税の申告があったもののうち、税務調査が行われた割合)は3.1%でした。この実地調査率は年々減少傾向にあり、3.1%は過去最低です。100件申告があるうち、税務調査が実施されるのは3件だけということです。単純平均だと、33年に一度位しか税務調査が来ない(!?)ということになります。

国税庁の実地調査率の目標は8.5%程度だそうです。なぜ、こんなに開きがあるのか?実は税務署は人手不足の傾向が続いています。団塊の世代が定年を迎えて絶対人数が大きく減ったためです。ここ数年調査官の採用人数を大幅増加させていますが、追い付いていません。また、若手を教育し、実地訓練を積ませるベテランの人手も不足しています。そのため、定年を迎える調査官を65歳まで再雇用しようという動きも出ているようです。

私の経験では、10年前頃までは若い調査官はベテラン調査官と2人で調査に赴き、指導を受けながら実地経験を積んでいく、ということをしておりましたが、最近は20代の調査官でもどんどん1人でやって参ります。「今回が2回目の調査なんです」と言われた調査官も1人で来られました。

調査官には追徴税額のノルマはありませんが、実地調査率を上げるために、「何件調査に赴く」という目標はあるようです。この現状を税務署目線から見ると、「よほど悪質な案件以外は時間をかけるより、調査件数を増やすことを優先させなければならない」という現状が読み取れるのではないでしょうか?現状が分かると、税務調査の対応の糸口も見えてきます。

また、経営者・事業者の方が一番気になるのは、税務署は調査先をどのように選んでいるのか?ということだと思います。もちろん、単純に儲かっている会社や前回の調査で悪質な所得隠しがあった等を選定することもありますが、一番多いのは国税のデータベースから絞り込むという方法です。
国税当局には国税総合管理システム(略してKSK)というものがあり、たとえばここ数年の決算と比較して、交際費などの特定項目が大きく変動したとか、同規模の同業者と比較して売り上げは伸びたのに利益が全然増えてない、などの法人を抽出して絞り込むのです。

それを考えると、決算書の数字の作り方にしても、どのようにすると調査対象にかかりにくくなるか、などと言う対策が見えてきませんか・・・!?

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